梅雨が明け、いよいよ夏本番を迎えました。
うだるような暑さの中でも、街には夏らしいイベントや新しいサービスが次々と登場し、涼を求めて出かけた先で思いがけない発見に出会えるのも、この季節ならではの楽しみです。
それでは今月もグッドパッチで話題になったサービスやトレンドを紹介します!
AI
見えないリスクを3Dで可視化。スペースデータが雪崩リスクのAIシミュレーション「Snowstorm & Avalanche」をリリース

スペースデータ、豪雪・雪崩リスクをAIでシミュレーションする「Snowstorm & Avalanche」をリリース
宇宙AIプラットフォームを開発する株式会社スペースデータは、災害リスク評価シミュレーションの新たなラインナップとして、豪雪・雪崩リスクを対象とした「Snowstorm & Avalanche」を7月8日(水)にリリースしました。
同社はこれまでにも、衛星データと地球規模のデジタルツイン技術を活用し、台風や洪水といった気象災害のリスク評価に取り組んできました。今回発表されたツールでは、外からは観察することが難しい「積雪の内部状態(新雪・弱層・スラブなど)」と、地形や気象条件を掛け合わせ、AIが雪崩危険度を5段階で解析します。
特に注目すべきは、解析結果を実在の地形データに基づいた3D空間上でシミュレーションできる点です。危険な斜面が自動的に抽出されるだけでなく、雪崩がどこから発生し、どの範囲まで到達するのかといった伝播の様子が立体的に再現されます。また、降雪量や気温などの条件を変化させることで、危険度がどう変動するかをリアルタイムに検証することも可能です。
国土の約半分が豪雪地帯である日本において、雪害は全国的な課題です。目に見えない複雑なリスク要因をAIで解析し、誰もが直感的に理解できる3Dシミュレーションへと変換するこの取り組みは、自治体やインフラ事業者における防災・危機管理の高度化、そして社会全体のレジリエンス強化に繋がる一手として注目されます。
サービス・プロダクト
これからの社会を担う世代とのつながりーースターバックス コーヒー ジャパン新サービス 「マイスターバックスストアU24」

スターバックス コーヒー ジャパン初 U24世代向け新サービス スターバックス® リワードのプログラム「マイスターバックスストアU24」を7月7日(火)より開始
スターバックス コーヒー ジャパンは7月7日(火)より、12〜24歳を対象とした新サービス「マイスターバックスストアU24」を開始しました。スターバックス® リワードの会員であれば、公式アプリからお気に入りの店舗を2店舗登録するだけで参加できます。参加後には初回特典として200円OFFの「U24パス200」が届き、以降は毎月100円OFFのパスが登録店舗から1枚ずつ、計2枚届く仕組みです。不定期のサプライズ企画もあわせて展開します。日本上陸30周年を迎えた同社にとって、U24世代向けに特化した初のサービスとなります。
このサービスで注目したいのは、割引そのものより「お気に入りのお店との関係を育てる」という設計思想です。パスは登録した店舗から届く、という仕掛けがあります。これにより「特定の店」「特定のパートナー(スタッフ)」との距離が縮まり、帰り道にふと立ち寄る、顔なじみのスタッフと会話する、その一杯との小さな出会いを繰り返す……といった、単なるポイント制度とは異なる体験の質が生まれます。
月次でパスが届くことで来店の動機が自然に生まれ、2店舗を起点に行動範囲も広がっていく設計です。値引きで引き寄せるのではなく、体験の質で根付かせる——若い世代にスターバックスを長期的に「体験として好きになってもらう」ことを見据えたアプローチだといえます。
オーバーツーリズムの課題解決へ。箱根町にスマートゴミ箱「SmaGO」を設置

7月14日(火)、環境配慮型IoTスマートゴミ箱「SmaGO(スマゴ)」5台が、神奈川県箱根町の元箱根港ボート乗り場に設置されました。年間2,000万人以上が訪れる箱根エリアにおいて、箱根町と株式会社小田急箱根の官民連携により、夏の観光シーズンに向けたオーバーツーリズム対策として導入されたものです。箱根町での設置は、今年3月の芦ノ湖・箱根町園地に続く2例目となります。
元箱根港周辺は人気の観光スポットが集まり、繁忙期には既存のゴミ箱からゴミが溢れる景観悪化や、回収業務の負担増が課題となっていました。今回設置されたSmaGOは、太陽光発電で稼働し、内部のゴミを自動で約5分の1に圧縮する機能を備えています。さらに、通信機能によってゴミの蓄積状況を遠隔で把握できるため、効率的な回収が可能です。
先行して導入された箱根町園地では、ゴミ溢れや周辺のポイ捨ての削減といった効果がすでに確認されています。観光地における景観維持という課題に対し、IoTテクノロジーを用いて回収プロセスそのものを効率化・最適化するSmaGOの仕組みは、持続可能な観光環境を整えるための具体的なアプローチとして注目されます。
太秦映画村のお化け屋敷が恐怖レベル選択制に

8/11リニューアルオープン/ 史上最恐のお化け屋敷 ~京都奇譚 一条戻橋~
京都市右京区にある「太秦映画村」は、人気アトラクション「史上最恐のお化け屋敷」を8月11日(火)にリニューアルオープンします。
キャッチコピーは『闇の集う逢魔が時。橋を渡れば戻れない』。京都には数多くの怪異伝説が残されており、本アトラクションでは、こうした京都独自の怪異文化を再構築したエンターテイメントを体感できます。
リニューアルにあたり、体験設計としてユニークだと思ったのは、来村者自身がお化け屋敷の怖さを「甘恐・中恐・大恐」の3つから選べることです。「甘・中・大」というのは、カレーなどの「辛さ」によく使用される表現です。これを「怖さ」にも適応することで、そのニュアンスを仮託し、ユーザーがパーソナライズされたお化け屋敷の「怖さ」を自身で選びやすくなっています。
このような工夫は、プロダクトデザインにおいても同じで、長い説明文に頼らなくてもユーザーに分かりやすい表現を模索していきたいと思いました。
ビジネス
“次のコンビニ”をかたちにする「FAMIMA」。従来の枠組みを超えた新たな空間体験

“次のコンビニ”をかたちにする「FAMIMA」誕生 初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」7月10日(金)オープン 従来の枠組みにとらわれない“わざわざ行きたくなるコンビニ”に挑戦
株式会社ファミリーマートが、2026年の創立45周年にあたり「Next FamilyMart Project」を始動しました。これまでのコンビニエンスストアの枠にとらわれない新たな価値創出を目指すプロジェクトとして「FAMIMA」を立ち上げ、その象徴となる初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」を7月10日(金)にオープンしています。
本プロジェクトは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO®氏との共創によりスタート。麻布台の街や豊かな緑に調和する「屋上の森」の設置をはじめ、店舗に入らずテイクアウトできる「FAMIMA STAND」や公式キャラクターのベンチなどを配し、周辺を訪れる人々が気軽に憩える「PARK(公園)」のような利用シーンを提案しています。
店内は、インテリアデザイナーの片山正通氏(Wonderwall®)が手掛け、コンビニのVMDを再定義してポップアップストアのような高揚感を演出。ファッションデザイナーの落合宏理氏と共同開発する「コンビニエンスウェア」エリアは独立したショップインショップ形式となっており、試着室やスタイル提案用のタッチパネル、専門スタッフを配置しています。さらに、俳優の浅野忠信氏を起用したビジュアルや旗艦店限定アイテムも展開されます。
「便利だから立ち寄る場所」から「わざわざ行きたくなる場所」へ。デザインとクリエイティビティの力で日本のコンビニ文化をアップデートする次世代のストアで、これまでにないお買い物体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
「メゾン マルジェラ フレグランス」香りと建築を融合した新たな空間UX

<メゾン マルジェラ フレグランス>メゾンのDNAを建築へと具現化。世界初のコンセプトを纏った「メゾン マルジェラ フレグランス 表参道 フラッグシップストア」がグランド リニューアルオープン
メゾン マルジェラ フレグランスが、日本における象徴的な拠点「表参道 フラッグシップストア」を7月16日(木)にリニューアルオープンしました。メゾンの原点である“アーティザナル”の哲学と、記憶を呼び覚ます「レプリカ」の世界観を融合させた、世界初の新コンセプトを纏っています。
今回の刷新では、職人の手仕事を感じさせるヘリテージのテクスチャーへと空間を一新。店内には、引き出しを開けて香りを探索する「Library of Memories」や、漆黒の空間で自らの物語を綴るように体験する「Scentsorium」など、五感を刺激する象徴的なエリアが構築されています。パリのアパルトマン様式と、ブランドのデコンストラクティブ(解体と再構築)な美学を衝突させ、訪れる人の足跡すら空間の一部として刻む店舗設計も特徴です。
香りと建築の二面性をリアルな空間へと昇華させた先進的なストアデザインの中で、時を重ねる素材の風合いと新たな嗅覚の物語に触れてみてはいかがでしょうか。
イベント
日本初の「エットレ・ソットサス」大規模回顧展を開催

エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる
アーティゾン美術館にて、2026年6月23日(火)から10月4日(日)まで「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」が開催されています。
エットレ・ソットサス(1917-2007)は、20世紀イタリアデザインを代表する巨匠です。オリベッティ社やポルトロノーヴァ社で数々の優れたデザインを生み出し、1981年にはデザイナー集団「メンフィス」を結成。しばしばアヴァンギャルドやポストモダンと評される革新的なデザインで注目を集めました。戦後の行き過ぎた合理主義に疑問を抱いたソットサスは、自由で豊かな感性を重視し、ユーモアあふれる作品で人々の生活を明るく彩ろうとしました。
アーティゾン美術館を運営する石橋財団は近年、ソットサスの作品を100点以上収集しています。本展はその全貌を紹介する日本初の回顧展であり、アーティゾン美術館にとっても初のデザイン展です。会場では、ソットサスの盟友である倉俣史朗やミケーレ・デ・ルッキの作品もあわせて展示されます。
合理主義に一石を投じ、色彩とユーモアで日常を彩ろうとしたソットサスの仕事は、機能性だけでは測れないデザインの豊かさを改めて感じさせてくれます。20世紀デザインの原点に触れられる貴重な機会として注目です。
【建築・アート好き必見】ギャラリーの当たり前を問い直す——東銀座「SHUTL」のリニューアル

【SPACE RENEWAL】 作家と空間が対話する。東銀座・SHUTLが“いつも”を問い直す実験場へリニューアル
「ギャラリーは白壁と平坦な床で構成されるもの」という固定観念を、皆さんはお持ちではないでしょうか。そんな既存の枠組みを根底から揺さぶる独創的な空間が、東銀座の地に誕生しました。
松竹が展開するクリエイティブスペース「SHUTL(シャトル)」が、7月24日(金)にリニューアルオープン。設計には気鋭の建築家・板坂留五氏を迎え、「”いつも”ってなんだっけ?」という本質的な問いをコンセプトに掲げています。
象徴的なのは、壁や棚、あるいは展示台へと自在に姿を変える「可動パネル付き吊りボックス」。あえて用途を限定しない設計が、作家の創造性を刺激し、空間との対話を通じて未知の表現を引き出す「余白」として機能しています。単なる器としての展示場を超え、つくり手と観客が作品世界と再会する、実験的な場の在り方を提示しているのが特徴です。
この刷新を祝した企画展「継承のトランジション」は、7月24日(金)から8月30日(日)まで開催されます。建築やインテリアデザインの視点からも興味深いこの空間で、従来の境界線が溶けていく感覚を体験してみてはいかがでしょうか。
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