株式会社グッドパッチ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:土屋尚史、証券コード:7351、以下「グッドパッチ」)と、立命館大学デザイン科学研究所(所在地:大阪府茨木市、所長:後藤智)は、デザインを通じた教育・研究の高度化および人材育成を目的とした産学連携協定を、2026年3月25日に締結しました。本連携では、グッドパッチが展開するデザイナー特化型就活プラットフォーム「ReDesigner for Student」のデータを用いた共同研究や、社会実装に直結する教育プログラムを展開します。

今後、デザイン科学研究所とのプロジェクトに加えて、2026年4月開設の立命館大学デザイン・アート学部、デザイン・アート学研究科の教育・研究にも、この連携をつなげていきます。

要約

  • グッドパッチと立命館大学デザイン科学研究所が2026年3月25日に産学連携協定を締結
  • デザインを通じた教育・研究の高度化および人材育成を目的としたもの
  • グッドパッチが展開するデザイナー特化型就活プラットフォーム「ReDesigner for Student」のデータや知見を活用した、デザイナー・クリエイター就活および採用市場の学術的調査や共同研究を行う
  • 実践的なデザイン人材の教育とキャリア支援を提供することで、産学の分断を解消し、次世代のデザインエコシステムを構築する

背景:デザインを巡る「教育」と「産業」の乖離

2018年に経済産業省・特許庁が公表した「デザイン経営」宣言以降、デザインはブランド構築やイノベーション創出の核として位置づけられ、日本の産業競争力における最重要資本の一つとなりました。内閣府が公開した「知的財産推進計画2024(※)」においても、イノベーション投資を加速させる「知財エコシステム」の再構築が掲げられ、高度デザイン人材の戦略的な育成は、国を挙げた喫緊の課題となっています。

しかしデザインの重要性が高まる一方で、教育現場と産業界の間には依然として深い分断が存在しています。

グッドパッチが2018年から展開する、デザイナーを目指す学生向け就活支援プラットフォーム「ReDesigner for Student」では、累計39,000名を超える学生を支援してきました。その中で浮き彫りになったのは、2000年代から大きく変わらない新卒クリエイターの採用市場と、現代のビジネス現場が求める資質とのミスマッチです。

現在の就職活動において、学生は「学校での学び」を「社会への提供価値」へと翻訳するプロセスに大きな壁を感じています。一例として、自身の制作物をまとめたポートフォリオが単なる「作品集」にとどまり、企業が真に求めている「なぜそれを作ったのか(Why)」という思考プロセスや、課題解決に向けた論理的なアプローチを言語化できていない現状があります。また、大学での課題制作以外に自らの意志で取り組む「自主制作」の機会が不足しており、自身の専門性を社会でどう生かすべきかというキャリアの解像度が低いまま就職活動に臨まざるを得ない学生も少なくありません。

こうした「評価の仕組みの分断」や「実践機会の不在」を解消するため、これまで先進的な産学連携実績を持つ立命館大学デザイン科学研究所と、さまざまな企業にデザインのアプローチで伴走し続けてきたグッドパッチが連携します。両者の資源を融合させることで、学生が「つくること」の先に「はたらくこと」を自然に見出せる、次世代のデザイン教育・人材育成モデルの構築を推進してまいります。

内閣府 知的財産戦略本部「知的財産推進計画2024」

主な取り組み

  1. クリエイター就活・採用市場の学術的調査・共同研究 

ReDesigner for Studentが保有する国内最大級のデザイナー・クリエイター就活動向データを活用し、現代のクリエイティブ系職種における就活・採用市場を社会学的な視点から共同研究します。感覚的になりがちな「クリエイティブの評価」を可視化し、産学が共通言語で議論できる基盤を構築します。

  1. 理論と実践を往来する教育プログラムの提供

ReDesigner for Studentが培ってきた知見や企業とのリレーションを生かし、デザイナー・クリエイター就活に必要なガイダンスや講座、ワークショップ等を適切なタイミングで実施します。学生が自ら棚卸しを行い、社会で通用する「思考の言語化」を習得するための実践的な機会を提供します。

  1. 次世代デザイン人材のキャリア形成支援 

年間300名以上の学生面談を行うReDesigner for Studentのキャリアデザイナーの知見を生かし、学生に対して早期から学習〜就活のシームレスな支援を提供します。学生が自身の強みを客観視し、納得感のあるキャリアを選択できるよう、多角的なフィードバックとマッチング機会を提供します。

  1. 地域社会連携およびイノベーション創出 

グッドパッチが2025年9月に開設した「関西支社(グラングリーン大阪 JAM BASE内)」を拠点に、立命館大学が推進する社会共創プロジェクトへ参画します。グッドパッチの知見を掛け合わせ、地域課題の解決に向けたデザインの社会実装に取り組みます。

本連携についての関係者コメント

八重樫 文氏の画像

八重樫 文 立命館大学デザイン・アート学部 教授
デザインの価値は、成果物の見栄えだけでなく、問いの立て方、判断の根拠、関係性の編み直しといったプロセスに宿ります。本連携では、その価値をデータと実践の往還によって可視化し、教育と産業の接続を社会の資本として蓄積する挑戦を進めます。学びの質を社会に開くモデルを、産学協働で更新していきます。

ReDesigner for Student田口の画像

田口 和磨  ReDesigner for Student キャリアデザイナー
向井周太郎は「デザインとは、あるべき生活世界の形成である」と遺しています。アカデミアと経済活動の場がそれぞれ分立して成立できていた時代を過ぎて、アカデミアと経済活動の場が共に“あるべき生活世界”を考える必要があると考えています。学舎の中で直に、これから社会に出る学生と触れ合いながら、共に“あるべき生活世界”を模索することが出来る研究を志します。

関連情報

【立命館大学デザイン科学研究所について】
人々が「豊かな生活」を実感することのできる時空間の創造を目指し、デザイン科学のアプローチでの社会課題の解決に取り組む研究機関です。産業界、地域社会、行政と連携し、実社会におけるデザインの実践知を蓄積し、持続可能な社会づくりに貢献しています。
Web サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/research/rcds/ 

【立命館大学デザイン・アート学部、大学院デザイン・アート学研究科について】
2026年4月開設の新学部、研究科。歴史・文化都市「京都」に位置する衣笠キャンパスにおいて、未来志向の新たなデザイン学の追求とアートの技術・感性を基盤に自然科学と人文・社会科学領域を横断した教育・研究の展開を行います。リアルだけでなく、オンライン・オンデマンド・バーチャル空間などを利用し、多様な社会に適したより柔軟で高次元の学びの環境を整備します。美的感性に裏打ちされた、「問題解決力」「問い直し力」「共創力」「問題発見力」「創造的思考力」を総合的に身につけた、クリエイティブで柔軟な思考を涵養します。
Web サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/da/

【ReDesigner for Studentについて】
ReDesigner for Studentは、グッドパッチが運営する新卒デザイナー特化型就活支援サービスです。「世の中にデザイナーを増やす」をミッションに掲げ、デザイナー・クリエイターを目指す全ての学生とデザインの力を信じる企業とをマッチングするプラットフォームを展開しています。
登録者数は累計39,000名を超え、総合大学から美術大学、専門学校まで幅広く利用されています。採用担当者がポートフォリオを見てスカウトできるだけでなく学生同士も作品を閲覧、フィードバックできる仕組みを通じて学びの機会を提供しています。
ReDesigner for Student https://student.redesigner.jp/
ReDesigner for Student 公式 X(旧Twitter)@ReDesigner_St 

株式会社グッドパッチについて

グッドパッチは、「デザインの力を証明する」をミッションに、「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」をビジョンに掲げるデザインカンパニーです。2011年9月に設立し、2020年6月には日本のデザイン会社として初の東証マザーズ(現グロース)上場。

さまざまな企業に伴走し、企業変革支援、UI/UXデザイン、ビジネスモデルデザイン、ブランド体験デザイン、組織デザインなどを行う「デザインパートナー事業」と、デザイン人材特化型キャリア支援サービスやオンラインホワイトボード、SaaS型AIデザインツールなどを提供する「デザインプラットフォーム事業」を展開。顧客体験を起点にした課題解決と「デザイン×AI」による価値創造に取り組んでいます。

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